医療法人社団 弘人会中田病院

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Column紹介・各種解説

手足の動きにくさに対する電気刺激療法とは?脳卒中などのリハビリで使用するIVESを解説

2026/08/26 18:12
 

手足の動きにくさに対する電気刺激療法とは?|IVESを用いたリハビリ

脳梗塞や脳出血などの脳卒中では、手が開きにくい、物をつかみにくい、 足が持ち上がりにくいなど、手足を思うように動かせない症状がみられることがあります。

このような手足の動きにくさに対するリハビリの一つが、 電気刺激療法で使用する「IVES(アイビス)」です。

当院では、脳卒中による手足の動きにくさがある方だけでなく、 頸椎・腰椎疾患や肩の術後など、医師や担当療法士が必要と判断した患者さんに対して、 IVESを活用したリハビリを行っています。

IVESを使用したリハビリIVESを活用した手の運動練習

この記事では、IVESとはどのような機器なのか、どのような方が対象となるのか、 実際のリハビリでどのように活用しているのかについて、わかりやすく解説します。

IVESへの理解を深め、ご自身やご家族のリハビリについて考える際の 参考になれば幸いです。

IVES(アイビス)とは?

IVES(アイビス)は、患者さん自身が筋肉を動かそうとする際に生じる電気信号(筋電位)を読み取り、 その動きに合わせて電気刺激を行う医療機器です。

患者さんの動きに合わせて電気刺激を加えることで、より実際の動作に近い動きの練習をサポートします。

IVESについて詳しく知りたい方へ

IVESの仕組みや特徴について詳しく知りたい方は、 「IVES(随意運動型電気刺激装置)とは?」 をご覧ください。

また、使用できない方や注意事項については、 「IVESの禁忌・注意事項」 をご確認ください。

例えば、手を開く、物をつかむ、足を持ち上げる、歩くなど、 患者さんが行いたい動作の練習と組み合わせながら使用します。

このように、患者さん自身の「動かそう」という意思に合わせて電気刺激を行えることが、 IVESの大きな特徴です。

IVESを用いて行うリハビリ

IVESは、患者さんの状態や目標に合わせてリハビリに活用します。

手足の動きにくさの程度や目標とする動作は一人ひとり異なるため、 リハビリ内容も患者さんごとに調整します。

手や指の動きにくさに対する練習

手や指が動かしにくい場合には、手首や指を動かす筋肉に電極を貼り、 運動や練習を行います。

例えば、次のような動作と組み合わせることがあります。

  • 手首を動かす
  • 指を曲げる・伸ばす
  • 手を目的の場所まで伸ばす
  • 食事や着替えなどの日常生活動作を練習する

足の動きにくさや歩行に対する練習

足が持ち上がりにくい場合には、足首などの動きに関係する筋肉へ 電気刺激を加えながら、筋力強化や立位・歩行練習を行います。

必要に応じて装具や歩行補助具を併用し、 患者さんの身体機能や歩行状態に合わせてリハビリ内容を調整します。

どのような方が対象?

IVESは、担当療法士が必要と判断し、 医師の許可が下りた患者さんが使用できます。

診断名だけで判断するのではなく、手足の動きにくさの程度や 筋肉の状態などを総合的に評価したうえで、使用を判断するためです。

当院では、以下のような疾患の方に使用しています。

  • 脳梗塞や脳出血などの脳卒中
  • 頸椎・腰椎の脊髄疾患
  • 肩の骨折術後

そのため、同じ診断名でも使用する方と使用しない方がいます。

電気刺激を使用できない場合はある?

すべての方が電気刺激療法を受けられるわけではありません。 安全に治療を行うためです。

心臓ペースメーカーなどの植込み型医療機器を使用している方や、 電極を貼る部分に皮膚トラブルがある方などは、 実施できない場合があります。

また、身体の状態によっては注意が必要となるため、 当院では医師や担当療法士が状態を確認したうえで実施します。

使用できない方や注意事項については、 「IVESの禁忌・注意事項」 をご確認ください。

電気刺激を使用すると痛みはある?

電気刺激による痛みは、強くないことがほとんどです。

刺激の強さは、患者さんの状態や感じ方に合わせて調整するためです。

電極を貼った部分にピリピリとした感覚を感じる方はいますが、 強い痛みや不快感がある場合には、刺激を調整できます。

気になることがあれば、担当療法士へお気軽にご相談ください。

まとめ

IVESは、患者さん自身が動かそうとする運動に合わせて 電気刺激を行うリハビリ機器です。

患者さんの動きと電気刺激を組み合わせることで、 より実際の動作に近い運動練習を行えます。

当院では、脳卒中だけでなく、頸椎・腰椎疾患や肩の骨折術後など、 さまざまな患者さんに活用しています。

患者さん一人ひとりの状態に合わせて評価を行い、 通常の運動療法や日常生活動作の練習と組み合わせながら、 リハビリを進めています。