医療法人社団 弘人会中田病院

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Column記事・コラム

バリウム検査ってなに?

2022/07/12 12:46

バリウムを使って食道、胃、十二指腸の病変をチェックするためのレントゲン検査です。胃の壁に満遍なくバリウムを塗布することにより、腫瘍などの病変を見つけていきます。

まず初めに発砲剤(胃を膨らます薬)を飲んでから、バリウムを飲んで検査をしていきます。検査台に乗っていただき、仰向けやうつ伏せなど、いろいろ体位を変えながら撮影します。

検査時間は10分程度です。

バリウム検査では、胃潰瘍、胃炎はもちろん、胃がんやポリープ、食道炎など、消化管の様々な病変が発見できます。

なんでバリウムを飲まなきゃいけないの?

通常のレントゲン検査だと、胃や十二指腸などの消化管はガス像として黒い影しか見えません。バリウムを使うと、消化管の内部を映すことができます。バリウムを胃の様々な場所にまで塗るイメージで検査をします。
バリウム検査は、小児でも行うことはできますが、得られるメリットとリスクを考えて、実施しない場合も多いです。どうしても検査が必要な場合は、寝かせた状態で内視鏡の検査にしてしまうことが多いです。バリウム検査では息を止めて頂いたり、ゲップを我慢したりしなければならないので、小児では難しい場合もあるのです。

バリウム検査は危険ですか?

基本的には安全な検査です。10万人に対して数件、消化管に穴が空く人がいたり、人工肛門になってしまったりする人がいます。

内視鏡の検査でも、消化管に穴が空くリスクはありますし、造影剤の使用でもアナフィラキシーなどのリスクもあります。なので、検査時のリスクに関しては、バリウムに限った話ではありません。

バリウムの副作用としては、便秘や腹痛、一時的な下痢などの可能性があります。早くバリウムを体外に排出するためにも、水分を多めに摂取することが大切です。

バリウム再検査はよくあるの?

前日の夕飯が胃の中に残っていると再検査になることがありますので、夕食を早い時間に食べることが大切です。また、出来るだけ消化の良いものを食べて頂くと、胃の中に前日の食べ物が残る可能性が低くなります。

検査中には、患者さんにいろいろと動いて頂きます。「少し右に」など、微妙な指示をしなければならないこともあります。緊張していて、右と左を間違えてしまったり、指示通りに動けなかったりする場合も考えられますので、検査技師がうまく誘導していきます。

バリウムって不味いでしょ?


確かに美味しくはありません。最近は各社いろいろなフレーバーにしています。

ちなみに当院は、クリームソーダ―風味です。

バリウムは胃全体にしっかりと塗らないといけないので、ある程度の量を飲まないと、検査しても意味がなくなってしまいます。発泡剤も同様にある程度の量を飲まないと、胃のシワがしっかりと伸びず、シワの間の病変を見つけることが出来なくなってしまいます。

とは言え、どうしても苦手でバリウムを飲めないで吐いてしまう人もいます。このような場合には、内視鏡検査に移行します。それでも検査が困難な場合には、検査自体を中止にすることもあります。

バリウム検査がどうしても苦手な場合は、医師に相談して頂き、別の検査方法を探していきましょう。

何で下剤を飲むの?


バリウムは体内に吸収されず、長時間体内にとどまっていると固まってしまいます。固まってしまうと腸の中で詰まってしまうため、下剤でなるべく早く体外に出す必要があるのです。

バリウムはどのくらい出ればいいのか?1回出たら大丈夫?

バリウムは150~160cc(缶コーヒー1本分くらい)ほど飲んで頂きます。そのため、1回の便でできらないこともあり、数回に分けて排出されることがあります。消化管の動きにより、排出されるまでの時間には個人差があり、1~2日後でも体内に残ってる人はいます。2~3日間はバリウムが排出されると思って下さい。あまりにも長い期間、便が白い場合は、別の疾患の可能性が考えられます。そのような場合には、医師にご相談下さい。

バリウム検査後の食事は?ラーメンやアルコールはいつごろから?

基本的には、検査後の食事に制限はありません。ただし、検査のために空腹の状態を作っているので、消化の良いものから食べるようにしてください。

アルコールは下痢を促進するので、できればその日1日はアルコールを控えることをお勧めします。