医療法人社団 弘人会中田病院

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Column症状別コラム

大腿骨頸部骨折後のリハビリについて解説

2022/05/05 09:12

当院では、骨折と中心とする整形外科の患者様が多く、手術をされる方も多くいらっしゃいます。手術後に重要になってくるのが、リハビリテーションです。今回の記事では、大腿骨頸部骨折後のリハビリがどのような流れで行われるのかについて解説していきます。

リハビリはいつから始めるの?

リハビリは、手術後1日目から介入し始めます。昔の医療では、手術後1ヶ月ほど寝たきりという方も多かったですが、現状ではなるべく早くリハビリを開始する事が重視されています。

これほど早く介入を始めるのには、理由があります。まずは、リハビリを多く提供した方が、退院までの時間を短縮できるというデータがあります。また、退院までの日数だけでなく、病棟での生活能力が向上するというデータもあります。また、筋力が低下し始めるまでの日数も以外と短く、寝たきりの状態が続いてしまうと筋力が低下してしまいます。筋力が低下すると、怪我をする前と同じように動けるようになるまでに時間がかかってしまうため、なるべく早くリハビリをスタートさせる必要があります。

完治までの期間

完治までの期間は、怪我の種類や怪我をする前の状態によっても差が生まれやすいです。概ねですが、3~6ヶ月ほど治療期間が必要な場合があります。骨折の程度が軽い方が完治までの期間が短い傾向にあります。

リハビリは、いつまでも行なえるわけではありません。リハビリには期限が決められており、骨折のリハビリは手術をした日、もしくは怪我をした日から150日間と決められています。

リハビリが大切な理由

怪我をしてから、完治するまでは長い期間を要します。入院時から退院後、更には在宅の生活でもリハビリは必要になる人が多くいます。リハビリを行わないと、関節が硬くなってしまったり、筋力が落ちてしまったり、様々な能力が落ちてきます。

どのようにリハビリを進めていくのか

骨折後のリハビリは、痛みや全身状態に配慮しながら介入していきます。

患部を動かす事が出来ない状態の事もありますので、患部外にも目を向けながらリハビリを行っていきます。

例えば、お膝周りの骨折をしたとします。先生の指示が、「2週間膝を曲げてはいけない」という内容だったとすると、膝以外の足首や股関節を動かす練習はしても良いということになります。また、体重をかけてはいけない期間があったとすると、片足でケンケンをして歩く練習をしたり、トイレの練習を行ったりします。このように制限がかかっているものはしっかりと制限を守り、動かせる部分はしっかりと動かしていきます。

基本的な動作や生活動作の練習

手術後すぐのリハビリは、痛みがあるのではないだろうかとか、大変なのではないだろうか等、不安な要素が大きいと思います。
リハビリでは、痛みの少ない起き上がり方や立ち上がり方の練習や、安全なトイレ動作などの日常生活動作のリハビリも行ない、日常生活を取り戻す練習を進めていきます。

急性期病棟と回復期病棟の違い

当院では、手術を行ったり、術後の管理を重視する急性期病棟と、リハビリを重視する回復期病棟に分かれています。手術後は急性期病棟で一定期間過ごして頂き、状態が落ち着いたら回復期病棟に移動になります。対象疾患がありますので、すべての患者様が回復期病棟に移動するわけではありません。回復期病棟には、リハビリスタッフが多く所属しており、多くの時間リハビリを行う事が出来ます。

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骨折後のリハビリの注意点

骨折後のリハビリは、関節を動かしてはいけない期間があったり、体重をかけてはいけない期間があったりします。特に骨折がひどい場合で、荷重スケジュールや動作のスケジュールが決められている場合は、指導されている以上の事をしてはいけません。骨がずれてしてしまう恐れがあるからです。自己判断で、内容を変更しないようにする必要があります。

まとめ

 

今回の記事では、大腿骨頸部骨折後のリハビリについて解説してきました。手術後、すぐにリハビリを開始すると聞くと、痛そうとか怖そう、出来そうにないと思われる方も多いと思います。しかし、担当のリハビリスタッフが痛みや動きに配慮しながら、回復のお手伝いを致しますので、痛みや苦しみを最小限にしながら生活を向上させていきます。

状態が落ち着いたら回復期病棟に移動し、積極的にリハビリを進めていく事により、安全に退院できるようにフォローしていきます。

当院のリハビリスタッフは、60名ほど在籍しているため、早期退院を目指しつつ、安全に生活が送れるようにフォローする事が可能です。

一人一人のニーズに合わせたリハビリの提供を心掛けています。